TVCFなどでも耳にしたことがあるかもしれません。
「フラット35」
これって、何?
銀行の住宅ローンと何が違うの??
特に「ずっと固定金利で安心」というけれど
民間住宅ローンの全期間固定金利型との違いがよくわかりませんよね。
(私がかつてそうでした)
そこで、ここでは
フラット35って一体どういうローンなの?
というのを解説していきたいと思います。
Contents
フラット35とは
フラット35は、全国300以上の金融機関が「住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)」と提携して扱う「全期間固定金利型」の住宅ローンです。
民間では扱いにくい固定金利の住宅ローン(※)として、2003年からスタートしました。
「住宅ローンが借りたくても借りられない方」を減らすこと
を目的とする住宅ローンとも言えます。
もっとユーザー目線に立つと
民間の金融機関の住宅ローンより
「借りやすい」(審査に通る可能性が高い)住宅ローン
と言うことが言えるかと思います。
一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援するための貸付債権の譲受け等の業務を行うとともに、一般の金融機関による融通を補完するための災害復興建築物の建設等に必要な資金の貸付けの業務を行うことにより、住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与します。
(※)民間では扱いにくい固定金利の住宅ローン
実は、民間の金融機関にとって、全期間固定金利の住宅ローンとは
金利が上昇したときに「融資金利」よりも「調達金利」の方が高くなってしまうため、提供しにくい住宅ローンなのです。
でも、全期間固定金利は、私たちにとっては
「金利上昇リスクがない」「完済まで返済額が変わらない。」
ありがたい金利タイプの住宅ローンです。
そこで銀行が積極に販売しない全期間固定金利が「住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)」により提供されているのです。
フラット35が「借りやすい」と言われるポイント
フラット35の特徴として
「借りやすい」(審査に通る可能性が高い)住宅ローン
と言うことができる。と書きましたが
具体的にそのポイントをご紹介します。
フラット35は団信の加入が任意加入
借りた人が万一死亡した場合などに
保険金でローンが完済される「団体信用生命保険(団信)」は、
民間金融機関の住宅ローンではいずれも加入が必須となります。
この団信は生命保険の一種なので
加入するためには保険会社の審査に通る必要があります。
と言うことは
「保険会社の審査に通らない方は住宅ローンを利用できない。」
ということです。
そこで、フラット35は
健康状態が良くない方でもマイホームを買うことができるように
「団信加入」を必須条件にせず、任意加入にしているのです。
団体信用生命保険(団信)とは
ローンの残債額を保険会社が保険金で代わりに支払ってくれる生命保険の一種。
もし、団信がなければ 銀行は
契約者が死亡したときに、ローン残高を回収するために
担保の住宅を競売で売却しますが
当然、全額回収できずに貸し倒れ損失が発生するリスクも大きい。
銀行は、これを回避するために「団信加入を必須」にしているということ。
フラット35は保証料がかからない
民間金融機関の住宅ローンでは
借入時に数十万円程度の保証料がかかるケースが多いのですが
フラット35では保証料はかかりません。
ネット銀行などでは
保証料がかからない住宅ローンを扱っているケースがありますが
その場合は手数料が借入額に連動して高めに設定されていることが多いようです。
住宅ローンの保証料とは
万が一住宅ローンの返済ができなくなった時に、住宅ローンの肩代わりを保証会社にしてもらうために払うお金のこと。支払先は、保証会社。
フラット35は繰り上げ返済手数料が窓口でも無料
繰り上げ返済するときの手数料は
金融期間でもオンラインで手続きすれば無料がほとんどですが
フラット35ではオンラインでも窓口でも無料になります。
フラット35の審査基準は甘め
民間金融機関の住宅ローンにもフラット35にも年収基準はありますが
フラット35では基準を満たせば良いのですが
銀行では同時に収入の安定度や信用力も審査されます。
ですから、民間の金融機関の住宅ローンでは
自営業や転職したばかりの方、派遣社員や契約社員などは借りにくいことが多いのです。
フラット35と銀行ローンのその他の違い
ここまで、フラット35が「借りやすい」と言われるポイントを説明してきましたが
それ以外の民間の金融機関の住宅ローンとの違いもあります。
繰上げ返済の返済額制限
民間の金融機関の住宅ローンの場合
オンラインでの繰上げ返済は1円から可能である場合がほとんどですが、フラット35の場合
- オンライン手続きの場合は10万円以上
- 窓口の場合は100万円以上という
繰り上げ返済額の制限が付きます。
物件に条件がある
先に説明した通り
民間の金融機関の住宅ローンでは
「返済できるかどうか」が審査基準として重要になってきますが
フラット35では
「技術基準が一定レベル以上の住宅なのかどうか?」が重要になってきます。
ですから、
住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅であり
床面積、耐震機能などにも基準が設けられています。
関連記事:フラット35適合の住宅の条件
フラット35と民間の金融機関の住宅ローンの違い一覧
フラット35 | 民間金融機関の全期間固定金利 | |
団信加入 | 任意加入 | 必須加入 |
団信特約料 | 有料(利用者負担) | 無料(銀行負担) |
審査 | 年収基準を満たせばOK 物件の性能が重視される |
収入の安定度なども審査される 返済能力が重視される |
審査の甘さ | 甘い | 厳しい |
金利タイプ | 固定金利のみ | 変動金利や固定期間選択型などから選べることが多い |
金利 | 低金利 住宅金融支援機構が決定した金利(ほぼどの銀行でも同じ金利) |
フラット35よりは高金利 銀行ごとに設定 |
借入期間 | 15年~35年 | 1年~35年 |
保証料 | 無料 | 都市銀行・地方銀行:金利+0.2%上乗せ ネット銀行:無料 |
借入可能額 | 8,000万円以下 | 1億円以下 |
繰り上げ返済手数料 | 無料 | 窓口:有料 オンライン:無料 が多い |
繰り上げ返済額の制限 | オンライン:10万円以上 窓口:100万円以上 |
オンライン:1円以上からが多い |
住宅の 技術基準 |
あり | なし |
住宅の 床面積基準 |
一戸建て:70平米以上 |
なし |
フラット35はこんな人に向いています
- 収入はあるけれど会社員ではなく自営業の方
- 金利上昇リスクを避けたい方
- 金利をリサーチするのが好きではない方
- 将来、自宅を人に貸す可能性がある方
民間の金融機関の住宅ローンはあくまで自宅を対象としているので、途中で人に貸す場合は、原則として完済やローン条件の変更をしなければなりません。
それに対してフラット35は、自宅用であることは同じですが、途中で人に貸すことになってもそのまま借り続けることが可能です。 - 投資用物件をすでに持っている方
ローンを組んで投資物件を買った方は、自宅用の住宅ローンを借りるときに審査が厳しくなりがちです。でもフラット35では投資用物件から得られる家賃収入を加味してもらえるので、自宅用のローンを借りやすい傾向があります。